猫とアヒル

日本株の取引高が低迷する一方、米国株は今週も最高値を更新しました。
2009年7月から始まった米国の景気拡大期は、この7月に10年を超え、戦後最長となると見られています。そして一方で、米国ではその7月に利下げを見込む声が高まっています。



景気拡大期なのに利下げというと、多少違和感があります。しかし、米国の景気の力強さもさすがに陰りやひずみも一部で目立ってきており、「予防的な利下げ」という位置づけで捉えられています。また、好ましい見方ではありませんが、利下げをあからさまに要求するトランプ大統領へのFRBの忖度も一部で囁かれています。

いずれにせよ利下げとなれば、為替への影響も懸念されます。FRBは2015年12月から2018年末にかけて、計9回の利上げを行ってきており、これが他通貨に対して米ドルを押し上げる大きな要因となっていました。このため、米国の利下げは逆にドル安につながりやすいということになります。
特にドル円では警戒が必要となりそうです。なぜなら、欧州や多くの新興国も金融緩和の方向に進んでおり、これが米国の利下げの影響をある程度相殺するとみられる一方、日本には緩和余地がほとんど残されていないためです。


さらに、米国の利下げ以外にも、為替市場にはこれまでには無かった懸念が生まれています。トランプ政権の為替介入の可能性です。他国への一方的な関税引き上げやFRBへのプレッシャーなど、過去に例のない乱暴な手に打って出るトランプ政権なら、為替介入だってやりかねないとの見方が出てきているのです(その他、FT記事等)。関税を引き上げても、ドル高のせいで中国や欧州、そして日本との貿易赤字が大きく縮小しないなら、為替介入を行ってでもドル安にしようというわけです。


ここ2年ほどは、ドル円の為替はざっくり105円から115円の間で推移してきました。しかし今後は、大幅に円高に振れる局面も想定しておく必要がありそうです。肌感覚では、円の為替水準には割安感があるという私見についても以前書いた通りです。
しかし円高のリスクがあるとしても、個人の資産運用においては海外の資産を取り入れておくことは非常に重要であることは変わりません。では、個人は運用に伴う外貨リスクとどのように付き合えばよいのでしょうか?

結論としては、時間を味方につける長期運用であると考えます。
シンプルですが、やはり王道であり、個人投資家だからこそ取れる戦略です。詳細についてはファイナンシャル・フィールドに記事を書いておりますので、宜しければこちらをご覧ください。
外貨リスクは、資産運用するなら必ず付き合っていかないといけない相手です。どうせ付き合うなら、腰を据えて、少しでも仲良く付き合っていきたいものです。


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