緑



今年も相当に暑い夏となりました。「数十年に一度」というレベルの大雨も各地で降り、その被害の大きさも過去に例を見ない深刻なものとなっています。そしてこの異常気象は、日本国内だけでなく、世界全体で広く観測されています。欧州の多くの都市で過去最高気温が更新され、パリでは7月に42.6度を記録しました。シベリアやアラスカでは大規模な山火事が多く発生し、米国では洪水の被害が広がりました。

このため、一部の学者が懐疑論を唱えているとしても、地球温暖化を食い止める必要があるとする声は世界中で高まっています。それは、金融市場においても同様です。


環境などに配慮する企業を対象に投融資を行う「ESG投資」は、本来はそれによって運用リターンを高めることを目的とします。しかし、最近になって一層急速にESG投資の運用残高が増えているのは、リターンアップというよりも、社会責任を重視する性格の資金の流入が多いと思われます。異常気象が増えるほど、今後も地球温暖化を憂う資金がESG投資に向かいそうです。そして、そうした資金の受け皿となる商品に対するニーズも急速に高まっています。

最近、その受け皿の一つとして急速に市場を拡大しているものに、「グリーンボンド」というものがあります。「グリーン」、すなわち、再生可能エネルギーやエネルギー効率の改善などといった事業に資金を使うことを約して、発行される債券です。余り聞いたことがないかもしれませんが、実は国内でも2014年以降徐々に発行が増えてきています。環境省も後押しをしており、今後は個人投資家も耳にする機会が増えるものと思われます。
グリーンボンドについて、ファイナンシャルフィールドでもう少し詳しく書いておりますので、宜しければこちらをご覧ください。

グリーンボンドは普通の債券と比べて利回りが高いわけではありません。場合によっては、強いESG投資家の需要を受けて、利回りが普通債よりも低くなることもあります。しかし、地球温暖化の脅威に、グリーンボンド市場に一層の資金が向かうことはほぼ確実と思われます。発行体側にも、グリーンなイメージを得たいという
ニーズもあり、この市場は熱を帯びてきています。
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