アメリカがまたも一方的に、世界の合意を反故にしました。そして、自国で決めた制裁を他国の企業にまで適用しようとしています。貿易戦争のヒートアップが注目をさらってしまっていますが、イランの核合意からの離脱の話です。
6月8日付の日本経済新聞によると、米国はSWIFT(スイフト、国際銀行間通信協会)からのイラン遮断も検討しているとされます。SWIFTは200以上の国や地域の金融機関が参加する非営利組織で、ほぼ全ての国際送金を担っています。このためイランがSWIFTから遮断されれば、どの国の企業も、資金の受け払いが必要となるようなイランとの取引が不可能になります。実際にこうした米国の方針を受けて、既に仏石油大手トタルや仏自動車大手PSAなどが、イランでのビジネスの撤退を決定、或いは検討しています。
基軸通貨の米ドル(以下、ドル)を持ち、それによって実質的に国際決済システムを牛耳っている米国にとっては、このやり方は一見非常に強力な圧力手段に見え、実際そうなってきました。しかし、それが今や、米国自身にとっても非常に危険な戦略になりかねないと思われます。
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