金価格が急騰しています。
8月5日には、ドル建ての金価格は史上初めて2000ドルを超えました。
価格高騰の理由は幾つか考えられますが、一番の根っこには先行きのインフレ懸念があるのかもしれません。
2019年半ばころから金価格の上昇が目立つ
どの国のリスクからも基本的には隔離されている金は、一般に「安全資産」と呼ばれます。
一方で、金利も生まず、保管リスクなどもあるため、運用資産としては金を評価しない向きもあります。
いずれにせよ、金の価格は需給によって決定され、ある意味、その時々の時代のムードを反映してきたと言えます。
金価格(これ以降、金価格とは米ドル建てのスポット価格を指します)が前回1800ドルを超える高値を付けたのは、2011年の夏ごろでした。
当時は、2008年のリーマンショックから2010年以降の欧州債務危機につながっていった時期です。
世界経済がひどい苦境に喘いでおり、そのため先進国の金利も非常に低く抑えられていました。
その後、世界経済が緩やかに回復するにつれて金の価格は下落から横這いに転じ、2019年半ばころから再び急ピッチに上昇してきています。