米コンサルティング会社マーサーが10月、2019年度の「グローバル年金ランキング」を発表しました。
その中で同社は、世界の人口のほぼ3分の2をカバーする37か国・地域の年金を検証し、ランキング付けを行いました。
「老後2000万円問題」で不安視されている日本の年金のランキングは、31位。グレードでも、7段階のうち、下から2番目の「D」グレードという低い評価となりました。
これについて、ファイナンシャル・フィールドで詳細な記事を書いております。
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同社は、「十分性(Adequacy)」、「持続可能性(Sustainability)」、及び「健全性(Integrity)」の3つの観点から行うスコアリングで順位付けをしています。そして、日本のスコアの足を最も引っ張ったのが、「持続可能性」に関わる点でした。
しかしこうした海外からの指摘を待つまでもなく、日本の年金の持続性に問題があることは明らかです。
日本の公的年金は、積立方式ではなく、賦課方式を採っています。つまり、働いている現役世代が収める保険料を、高齢者に振り分けて支給する形です。少子高齢化が加速している中で、この方式ではどうしても現制度は続きません。しかも、免除・猶予を含めた国民年金の納付率は40.7%にとどまるのです。また、平均寿命が世界一である一方、日本の年金の支給開始年齢(原則65歳)は世界の平均的な水準です。
問題があることは誰の眼にも明らかですが、それに対処すべき政府の動きは緩慢です。
政府は現在、働く高齢者の年金が減額される「在職老齢年金」の見直しを進めています。高齢者の就労意欲を高めることが目的ですが、年金財政にはむしろ悪い影響を与えます。
年金には他にも大きな論点がいくつもありますが、国民、特にシニア層の不興を買いそうな議論を政府は避けがちです。
そうであるなら、自分の年金は自分でスコアを上げるしかありません。
残念ながら妙手はありませんが、NISAやiDecoといった税制優遇のある私的年金を賢く活用し、老後の資金を少しずつ作っておくことが大切です。
金融市場や金融商品にことさら詳しくなる必要はありませんが、世界経済の大きな流れや、世の中の動きなどには気を配っておくほうが良いと思います。
日本政府自身が老後の生活に向けた自助努力を求めている中、公助だけに期待することは難しくなったと感じざるを得ません。
これについては、ファイナンシャル・フィールドで詳細な記事を書いております。
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