ニューヨークやパリ、英国、インド、ニュージーランドなど、非常に多くの国でロックダウン(都市封鎖)が現在行われています。映画の中でしかあり得ない、と考えられていたような事態です。これにより人々の消費活動が最低限に抑えられる結果、「需要蒸発」という言葉なども頻繁にメディアで目にします。
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中国の武漢で新型コロナの感染拡大が起こり、中国の大都市が封鎖された当初には、サプライチェーンの寸断が懸念されました。グローバル化が究極に進み、今やほぼあらゆる製品のサプライチェーンに中国が組み込まれているためです。実際、部品不足から、iPhoneや自動車の製造が一時停止するといった事例も発生しました。新型コロナの影響は、まずは供給面に先に現れたと言えます。しかしその後、欧米にも感染が急拡大してゆき、ロックダウンの事態を経て、今や需要面に壊滅的な影響を与えています。景気は急激に悪化しており、原油価格の急落も相俟って、物価も低下することが見込まれています。
ただし、話はまだ続きそうです。外出ができない世界では、商品を作り出すこともできません。一方、外出をしなくても、人は生きていくために最低限のものが必要です。欲しいのにものがない、サービスが受けられない、といった、需要が供給を上回る部分も出てくる可能性があります。そうした部分では、価格が上昇することも想定されます。
また、各国政府は、景気を下支えするために、過去最大スケールの財政出動を行っています。現状では必要な政策なのかもしれませんが、お金が世の中に出回れば、必要なものは高くても買われていきます。局所的に、インフレのような状況を生み出す可能性もあるといえます。
景気が悪い時に起こるインフレを、スタグフレーションと言います。中国は今、そうしたスタグフレーションの状態にあると見られます。
一方、世界的なスタグフレーションについてはまだ予想する段階にはありません。そうなる可能性が高いと考えているわけでもありません。
ただ、景気悪化でも物価が局所的に上昇し、金利が上がるというブラックスワン的なシナリオにも目配りをしておくことは無駄ではないと考えます。
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