ユーロ


円をドルに換える際のヘッジコストが大きく上昇しています。

今月19日付のブルンバーグ記事によると、3か月物の為替ヘッジコストは2.09%と、リーマンショック時以来の水準にまで上昇してきました。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-17/japanese-go-bond-shopping-in-europe-as-treasuries-get-costlier

 

米国10年債の現在の金利は2.65%(1月21現在。以下、国債利回りについては同じ)。
しかしヘッジコストを勘案すると、米国10年債の運用利回りは0.56%となります。
為替リスクを避けるなら、日本の投資家にとっては実はそれほど魅力的とは言えないのです。
実際、12日に財務省が発表した対外証券情報によると、昨年11月の対米国債投資(中長期)は1兆円を超える売り越しとなっていました。売り越しは2か月連続です。
 
一方で、買い越しとなったのはユーロ圏の国債。
こちらは3か月連続の買い越しです。


実は、円をユーロに換える場合のヘッジコストは、現在―0.24%です(同じく上記のブルンバーグニュースを参照)。
ヘッジコストがマイナスの場合、その分が国債利回りに加算されるため、運用利回りを押し上げてくれる効果があります。
例えば、現在ドイツの10年国債の利回りは、0.57%。
ヘッジコストを勘案した利回りは0.81%となり、先の米国10年債よりも高くなります。
現在0.84%のフランス10年国債なら、更に魅力的です。
日本の機関投資家は現在、運用利回りが実質的により高いユーロ圏を明らかに米国より選好しているのです。
 
付け加えると、ドルに換えるヘッジコストが高いのは円だけではありません。
ユーロからドルに換えるヘッジコストも高く、欧州の投資家が米国債で運用する際の難点となっています。
 
米国では2004年の利上げ局面で金利が上がらず、グリーンスパンがそれを「コナンドラム(謎)」であると呼び、話題になりました。
イエレン下の現在の利上げ局面でも、これまでの金利上昇は比較的緩やかです。
イエレン・コナンドラムにはいくつか要因はあると思いますが、私は先進国の国債の中では高利回り商品とも言えるようになった米国債に、海外から多くのマネーが流入したことが大きいと考えています。
 
現在、日本や欧州の投資家にとっては米国よりも実質的に高利回りともいえるユーロ建て国債。
ECB(欧州中央銀行)は金融緩和の出口を探るステージに移っていますが、それでもユーロ債の相対的魅力が高まっていると言えそうです。

Sponsored Links