世界経済フォーラムの年次総会、通称ダボス会議が今年も始まりました。

今回の会議には、世界経済にそれほど知見があるとも思えないトランプ大統領も出席するとのことで、これも一つの話題になっています。

さて、このダボス会議の中の一つのパネル討論会で出た複数の大手金融機関幹部のコメントを、ブルンバーグがショッキングなタイトルで紹介しています。

これによると、この会議に出席していたそれら幹部が、迫りくる次の金融危機に警鐘を鳴らしたといいます。


シティグループのマイケル・コーバットCEO
「危機は必ず来る。圧力をどこかで抜いておかないと、その危機はもっと激しいものになる公算が高い。」

バークレーズのジェイ・ステーリーCEO

「現在の楽観的な環境は、10年前の危機の前夜を思い起こさせる。記録的な高値の株式と過去最低水準にあるボラティリティという組み合わせは、長期的にみて持続不可能だった。」

M&Gのアン・リチャード チーフ・エグセクティヴ
「今後1年で金利が相当程度上昇すれば、多くの人が借金を返済できなくなるでしょう。・・・マーケットは全体として、それを織り込めていない。」

30年以上カーライルの共同CEOを務めた、デービッド・ルーベンスタイン
「私の最大の懸念は、ほとんどの人が今年や来年の初めにリセッションが起ると考えていないことだ。」
「概して人々が幸せで自信に満ちているとき、悪いことが起る。」


確かに、すべてのアセットクラスが高値圏にあり、特に米国株式などは高値更新を続けています。警戒する気持ちも理解できます。

ただ、世界中を見まわしても経済指標は実際に非常に良好なものが多く、企業業績も全体としてみれば一層伸びています。
強気相場が続く環境下にあると、当然考えたくなります。


しかし、世界経済が余りに順風満帆であるが故に導かれるリスクもあるのではないでしょうか?

それは、市場参加者の期待が行き過ぎてしまうことです。
経済指標が良好でも、マーケットの事前の期待値が高くなりすぎていると、株価は下がります。
そしてもしかしたら、シティが発表するサプライズ指数は、それが起りつつあることを示す初期のサインなのかもしれません。

同指数は、各種経済指標がどれくらい事前予想と乖離しているかを指数化しています。数値がプラスに大きいほど、経済指標が予想よりも良い内容だったことを示します。

これが昨年12月に5年ぶりの高値である75を付けた後、足元で下落に転じました。

景気は実際良いのですが、マーケットの期待が実態を上回り始めた可能性があります。


同じことを感じさせたのが、昨日の安川電機の値動きです。
23日に発表した4-12月期決算は良好で、連結純利益は前年同期比2倍となりました。
しかし市場の予想はその上を行っていたため、翌日の同社の株価は終値で4%安となりました。


株価の上昇はここにきてさらにペースアップしており、思わずFOMA(Fear of Missing Out)から勇み足になりがちな時かと思われます。
でも良好な環境に慢心せず、リスクの高いものには特に流動性に注意した投資が必要な時だと感じています。

恐らく、上記の金融機関の幹部たちもそれを言いたかったのではないでしょうか(と、勝手に思っています)。

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