2018年は、主要国の金融政策が特に注目される年になりそうです。

米国は、今年3回以上の利上げを行うのか?

ECBは量的緩和をいつ完全にストップするのか?

日銀は年内に長期金利の誘導目標を引き上げるのか?

などなど。

世界的に債務が膨張しており、また様々な資産価格が高スピードで上昇しているため、各国の中銀はお互いに与える影響も考慮しながら、慎重かつ丁寧な政策運営が求められています。

 

ただ、世界的に大きな影響を生み出しかねない金融調整を目下行っているのは日米欧だけではありません。

中国も昨年来、かなり厳しい金融引き締めを行っています。

人民元1



中国の場合、政策金利の引き上げは年内無いだろうというのが、現在の市場のコンセンサスです。

しかし一方で、急速に膨らんだ国内のレバレッジ縮小に向けた規制を、特に昨年10月の党大会で金融リスク防止が謳われて以降、当局が次々と打ち出しているのです。

 

中国の債務残高は、同国GDPの300%近くにもなるとも言われています。

金融部門を除く企業債務はそのうち6割余りを占めるとみられますが、バブル崩壊直前の日本とまさに同様の水準です。

また、中国の銀行の不良債権比率は公式には1.74%と発表されていますが、実際は25%程度になるだろうとの専門家の指摘も聞かれます。

こうした状況を受けて、銀行がオフバランスで無法図に融資をしたり、高リスク商品を持ちあったりするような動きに対し、当局が規制の厳格化に動いているのです。

 

これは、当然必要な対応だと思われます。

ただその結果として、大くの企業、特に4大国立銀行から融資を受けにくいような中小企業の資金繰りが苦しくなっているようです(現在の規制の影響を、4大銀行はそれほど受けないと見られています)。

昨年半ば以降の大企業と中小企業の株価の動きの乖離を見ても、それはすでに感じられます(CSI300指数が大きく上昇する一方、ChiNext 指数は軟調推移)。 

中国当局もそうした景気への悪影響は当然理解し、警戒しているとは思います。

しかし債務規模の大きさを考えると、影響を最低限に抑えながら金融レバレッジの縮小を進めることは相当の難事業であると思われ、懸念を禁じえません。

 

ところで、北京市が昨年末、美しい街の景観を取り戻そうとの掛け声で、1万枚以上の看板や広告を一斉に取り外しました。昨年10月の党大会で決まった方針に沿ったものとされます。しかしその結果、多くの人が目印を失って道に迷い、外された看板の跡があちこちに残った景観は逆に悪くなりました。

市民の大きな反発を受けた北京市は、その後撤去の一時停止を決定しています。

 

中国ならではの気がする話ですが、景観対策も金融規制も、上意下達はほどほどが肝心だとつくづく思います。  
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