パンダ


2月1日付のブルンバーグニュースに、中国の国内債券市場に海外投資家からの資金流入が増えているという記事が出ていました。


中国の債券市場は世界3番目の規模であるものの、これまでは海外からの投資は非常に限定的でした。

資本規制や当局の恣意的な為替操作に加え、企業活動から司法まで党が実質的に絶対的権限を持つ社会構造を、投資家が懸念していたためです。

しかし記事によると、2017年には約550億ドル相当の海外資金が同市場に流入したと言います。


海外勢の米国債ネット購入額(2017年1-11月)の3370億ドルに比べるとまだ微々たるものの(米国債と比べるのもどうかと思いますが)、前年比では実に41%の増加だとしています。

そして、中国国内債は先進国対比では高い利回りを提供しており、今年は更に多くの海外資金が引き寄せられるとするアナリストの見方も紹介しています。

 

思い起こせば2016年10月、人民元はIMFのSDR(特別引出権)バスケットに採用されました。SDRとは、IMFの加盟国が通貨危機に陥った際に、外貨と交換できる権利のことです。

それまでSDRバスケットは米ドルとユーロ、円、英ポンドの4通貨で構成されていましたが、そこに人民元が円よりも高い比率で含まれることになったのです。

これは、IMFが人民元に国際通貨としてのお墨付きを与えたとも言える決定でした。

しかし当時は、人民元がまだそのような資質は備えていないとの見方が大半だったように思います。各国様々な思惑が交錯する中、中国が政治的に勝ち取ったものと考えられていました。

実際にその後、中国は人民元安を食い止めるために取引の基準となる参照値の算出方法を自身の裁量が働きやすいように変更することがあり、国際通貨としての資質に疑問を生じさせました。

 

しかし結局のところ、上記のニュースにもあるように、行きつ戻りつしながらも中国の資本市場は着々と海外の資金を取り込んでいるようです。

 

ドイツ連銀は先月、外貨準備に人民元を加えることを決定したと発表しました。

実はECB(欧州中央銀行)も、昨年既に5億ユーロ相当の人民元建て資産を外貨準備に組み入れています。

世界全体ではどうでしょうか。

IMFが発表するデータによると、世界の外貨準備に占める人民元の比率は1.12%となっています(2017年第3四半期)。まだまだ少ないとは言うものの、前四半期の1.08%からわずかながら増加しています。

そして、個人的には意外でしたが、スイスフラン(同比率 0.17%)よりも多いのです。

因みに円は4.5%ですが、前四半期の4.6%からやや低下しています。

 

中国では今後、政府が主導する債務レバレッジの縮小に伴い、債券のデフォルト(債務破綻)が増加しそうです。

乱高下する中国の株式市場も、仮想通貨並みにスリル満点です。

しかしそれでも長い目で見れば、中国の資本市場は海外の資金を徐々に取り込みながら、グローバル化していくのだと思います。

 

日本の個人の投資家も、関心を持って見ておくべきなのかもしれません。

(でも、どうぞ長い目で。)

 

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