難波線

フィンテックの台頭に足元を脅かされている金融業界ですが、それ以外にも頭の痛い問題が忍び寄ってきています。いわゆる、「座礁資産」の問題です。


今や取り組まないといけない「ESG投資」

ESG投資が急速に盛り上がりを見せていることについては、以前ここでも書きました。SRI投資(Socially Responsible Investment)という、環境や人道などに配慮する投資は90年代からあり、当時から一定の人気を得ていました。しかし、それがバージョンアップした形の現在のESG投資は、ある意味で次元が違います。今や、運用者なら積極的に取り組む責任があると見られるほどになってきているのです。2015年には国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が、「ESGを考慮しないことは受託者責任の失敗」と結論付けました。こうした流れを受け、ESGを考慮した運用を行う資産規模は2016年時点で22.9兆ドルに達し、運用資産全体の26%を占めるまでになっています。そして、今後もその比率は急速に高まる公算が高いと見られています。
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